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廣内 淳; 高原 省五; 駒ヶ峯 弘志*
Journal of Radiological Protection, 42(4), p.041503_1 - 041503_12, 2022/12
被引用回数:1 パーセンタイル:31.61(Environmental Sciences)屋内退避は原子力災害時の放射線被ばくに対する対策の一つである。吸入被ばくに対する屋内退避の効果は、屋内と屋外の累積放射能濃度または線量の比として定義される低減係数で表される。屋内濃度は、主に空気交換率,浸透率,屋内での沈着率に依存する。空気交換率は、風速,家屋の床面積で規格化した隙間面積,総建ぺい率などの周辺環境条件に依存する。本研究では、様々な環境条件下で粒子とIに対する低減係数の不確かさの範囲を検討し、低減係数の不確かさに最も影響を与えるパラメータを把握するために感度解析を行った。不確実性解析の結果から、算出された低減係数は環境条件や住宅の気密性によって大きく変動した。粒子とIの低減係数の不確かさの範囲はそれぞれ最大0.9および0.3であり、新しい家屋ほど小さかった。感度解析の結果、風速は低減係数に最も影響を与えるパラメータであった。また、風速は新しい家屋では低減係数に与える影響が小さかった。
大森 康孝*; 細田 正洋*; 高橋 史明; 真田 哲也*; 平尾 茂一*; 小野 孝二*; 古川 雅英*
Journal of Radiological Protection, 40(3), p.R99 - R140, 2020/09
被引用回数:22 パーセンタイル:77.11(Environmental Sciences)国連原子放射線の影響に関する科学委員会(UNSCEAR)及び原子力安全研究協会では、宇宙線,地殻放射線,ラドン吸入,食物摂取等の自然放射線源による年間線量を報告している。本研究では、主要な自然放射線源からの国内の放射線量を最新の知見に基づいてレビューした。宇宙線による年間線量は、0.29mSvと評価され、地殻放射線に起因する外部被ばくによる年間線量平均値は、放射線医学総合研究所が進めた全国調査のデータより0.33mSvと評価された。また、日本分析センターでは、屋内,屋外及び職場でのラドン濃度を統一された測定方法により調査した。この調査に基づいて、現在の線量換算係数を使用した場合、ラドンの吸入による年間線量は0.50mSvと推定された。トロンからの年間実効線量は、UNSCEARによって0.09mSvと報告されており、ラドンとトロンの吸入による年間線量は0.59mSvとなった。また、日本分析センターによる食品の大規模調査により、食事摂取による主要放射性核種からの年間線量は0.99mSvと評価されている。以上より、日本人の自然放射線による全年間線量は2.2mSvと評価され、世界平均値2.4mSvに近い値となった。
大越 実; 坂井 章浩; 吉森 道郎; 山本 英明; 高橋 知之; 木村 英雄
Proc. of 7th Int. Conf. on Radioactive Waste Management and Environmental Remediation (ICEM'99)(CD-ROM), 8 Pages, 1999/09
原子力安全委員会は、主な原子炉施設の解体等に伴って発生する固体状物質に対するクリアランスレベルの検討を行った。クリアランスレベルの導出に当たっては、主要な解体物であるコンクリートと金属を対象に、これらの物が通常の産業廃棄物と同様に埋設処分又は有用物として再利用される場合を想定し、これらの過程において発生する個人被ばく線量を決定論的手法を用いて評価した。被ばく線量の評価は、原子炉において生成する主要20核種を対象に、73の被ばく経路に対して行った。各核種毎に最も大きな単位放射能濃度当たりの個人線量をもとに、10Sv/yに相当する核種別の放射能濃度がクリアランスレベルとして設定された。本報告は、原子力安全委員会におけるクリアランスレベルの検討に資するために原研が実施した計算の手法及び結果の概要をまとめたものである。
not registered
PNC TJ1615 98-001, 58 Pages, 1998/02
現在市販されている平衡等価ラドン濃度測定器においては、その濃度計算過程はほとんどの場合がブラック・ボックスであり、それによって得られたデータの質や測定環境中のラドン娘核種濃度の変動に対する測定器の応答等、重要な情報や特性を、使用者が自ら実験によって推定・確認することが必要となる。本研究では、市販の平衡等価ラドン濃度測定器の実用的な校正手法とその際に留意すべき事項について、理論的な説明に基づいた提案を行った。また、それに関して、実験的な検証を行った結果、ラドン娘核種濃度の変動と測定器の応答に関して、理論的な推定と良い一致を見ることができた。
遠藤 章; 高田 弘; 山口 恭弘
JAERI-Data/Code 97-039, 37 Pages, 1997/10
高エネルギー陽子による核破砕反応で中性子発生用金属ターゲット中に生成され、かつ、ICRPにより線量係数が与えられていない11種類の放射性核種について、それらの吸入摂取に対する線量係数を計算した。計算にはICRP Publ.66の呼吸気道モデルに基づくLUDEPコード及びNUDATの放射線データを用いた。これらを用いて計算される線量係数の妥当性を評価するために、66核種についてICRP Publ.68の線量係数との比較を行った。本計算方法で算出される線量係数は、計算に用いる放射線データが大きく異なる核種を除けば、ICRP Publ.68の値と良く一致することを確認した。計算された線量係数を基に、年摂取限度及び空気中濃度限度を算出した。これらの線量係数、限度等は、大型陽子加速器施設における換気設備等の設計や的確な内部被ばく防護を実施するうえで極めて有効である。
高田 和夫
新呼吸気道モデル ; 概要と解説, 0, p.11 - 15, 1995/03
日本保健物理学会「ICRP新呼吸気道モデル専門研究会」は、吸入された放射性核種による内部被曝線量を評価するためにICRPが開発した呼吸気道モデルに関し、ドラフトレポートを用いて内容の検討を行ってきたが、この度正式報告書が出版されたのを機会に解説書を作成することとなった。本稿は、同研究会の委員として検討に参加してきた発表者が、その一部を分担執筆したものである。従来は、肺全体に対する平均値として呼吸器系の被曝線量が評価されていたが、新モデルでは、呼吸器系を構成する個々の組織(7領域)の線量と相対感受性を考慮した線量が評価されることとなった。生物学的意味がより明確な線量であるといえる。
矢部 明
KURRI-TR-235, p.63 - 71, 1982/00
主として作業者の放射性コバルトによる被曝に関連して、次の内容について記している。 1.軽水または重水炉における放射性コバルトからの体内被曝の重要性 2.ICRP Publication 30における体内被曝線量推定法 3.Co酸化物の吸入による肺の預託線量当量の計算 4.体外計測法とバイオアッセイによる放射性コバルトの体内被曝線量の推定法 5.ICRP Publication30の体内被曝線量推定法を一般公衆の環境線量を推定するのに利用する場合の問題点等
高田 和夫
保健物理, 12(1), p.19 - 24, 1977/01
西ドイツ・カールスルーエ原子力研究所における放射性物質における身体汚染者の処置法を、放射性物質の1)体外汚染、2)吸入による汚染、3)傷口汚染の場合に分けて紹介した。OTPAを投与した場合のPu体内負荷量の推定法およびDTPAによる体内Puの除去率の評価法についても記した。
廣内 淳; 高原 省五; 駒ヶ峯 弘志*; 渡邊 正敏*; 宗像 雅広
no journal, ,
屋内退避による内部被ばくの低減効果は多くの因子に影響される。家屋内への放射性物質の侵入割合(浸透率)は被ばく低減係数に大きな影響を与えるものの、低減効果を評価する目的で日本の代表的な家屋で浸透率を実測した例はない。本研究では、実家屋で室内外のエアロゾル濃度を連続測定し、粒子状物質の家屋内への浸透率を導出した。
真辺 健太郎; 高橋 史明
no journal, ,
環境に放出された放射性核種に対する公衆の放射線防護に資するため、外部被ばくと内部被ばくを統合した線量評価システムの開発を進めている。内部被ばくで考慮すべき放射性エアロゾルの吸入摂取では、エアロゾルの粒径, 密度, 形状等により被ばく線量が変化し、特に粒径の影響が大きいことが知られている。しかしながら、国際放射線防護委員会(ICRP)が公開している線量係数(単位放射能当たりの預託実効線量)は、粒径が一定の対数正規分布であると仮定して評価されたものである。また、既存のコードは、粒径分布について単一値または対数正規分布しか考慮できず、改訂ヒト呼吸気道モデル(改訂HRTM)における沈着領域区分にも対応していない。そこで、本研究では、環境中の多様なエアロゾル特性を考慮した内部被ばく線量評価を行うことを目的とし、ICRPの沈着モデルを用い、任意の粒径分布, 密度及び形状を考慮可能で、改訂HRTMの領域区分に対応した沈着割合を計算する機能を開発した。本機能は、ICRPによる軽作業時の成人男性に対する沈着割合データを精度よく再現した。今後、本機能を線量評価システムに組み込み、様々な摂取条件に対する内部被ばく線量係数評価を可能とする予定である。
廣内 淳; 高原 省五; 駒ヶ峯 弘志*; 宗像 雅広; 木本 成*; 米田 稔*; 松井 康人*
no journal, ,
屋内退避による内部被ばくの低減効果は多くの因子に影響される。家屋内での沈着率は被ばく低減効果に影響を与える因子の一つである。本研究では、環境因子をコントロールできるチャンバーを作成し、被ばく低減効果に影響を与える浸透率、沈着率を導出するとともに、チャンバー内での実験値を実家屋に適用する際の留意点を調査するために実家屋での実験も行っている。本発表では、実家屋で室内外のエアロゾル濃度を連続測定し、家屋内での粒子状物質の沈着率を導出した。導出した沈着率は体積補正をしたチャンバー内での実験値と同様の値であり、チャンバーを用いた実験値を実家屋に適用する際には体積補正をする必要性を示した。
木本 成*; 佐田谷 典郎*; 米田 稔*; 松井 康人*; 廣内 淳
no journal, ,
屋内退避による内部被ばくの低減効果は多くの因子に影響される。家屋内への放射性物質の侵入割合(浸透率)は被ばく低減係数に大きな影響を与えるものの、低減効果を評価する目的で日本の代表的な家屋で浸透率を実測した例はない。本研究では、基礎データ取得のためテストチャンバーを製作し、室内外の模擬空間内のエアロゾル濃度を連続測定することで粒子状物質の家屋内への浸透率を導出した。